10月8日 第10回 JBCF 輪島ロードレース

今回は高校生以来の母との遠征でした。
輪島の会場まで家から7時間ほど。
今まで車移動の時は眠気と闘いながらぼーっと座っているだけの楽ちんでしたが、
今回は自分も運転しないといけない、初めてのルートのため道を確認しながら行かないといけないなど、
ドキドキの移動でした。

5時出発で眠いとか疲れたとか少しは感じましたが、
人間というのは集中する時、スイッチが入っている時には
だるさなど吹き飛んでしまうんだ…というのを実感しました。
長い移動でしたが、交代交代の運転でなんだかあっという間、
そして日本海など景色も良く、プチ旅行気分を味わったようにも思います。

輪島のコースにはお昼には到着し、2周一人で試走をしました。
昨年も走っているのでどのようなコースかは認識していましたが、
3kmちょっとのスタート後の登りはいつ登っても長く感じました。
数日前から体調があまり良くなく、前日も左脚が特に力が入りにくい感覚でしたが、この日もそんな感じ。
そしてむくみもあり、身体も重い感じでした。
登りはシッティング、ダンシングでコンディションやポジションの確認をし、
下りは路面やラインの確認、
平地は下ハンを持ってのペダリングなどを確認し、
基本は重いギアは踏まずにくるくると回すようにして走りました。
横風などが強いイメージがありましたが、今回は風がなく気持ち良く走れました。

夜は20kmほど離れたペンションの「クロワッサン」というところに泊まり、
豪華海鮮の食事をいただきました。
まず目に飛び込んできたのが蟹!!!
ほかにもサザエやししっぽという珍しい魚、アジ、甘エビ、いしる鍋など
一年分のご馳走を食べたような気分でした。

翌8日は朝5時に出発し、
朝食を食べてウォーミングアップを。
ストレッチ、ローラーで身体のコンディションチェックをしながら心拍を上げて行きました。
最初はやはり脚がダルい..
でも回す回すで少しずつ動くようになりました。
いつもなかなかウォーミングアップが上手くいかない私ですが、
今回は自分なりにレースへ向けて心、身体を共に高めていきました。

8時05分にレースはスタートしました。
スタート後すぐに始まる3km以上の登り、
これが今回の勝負所となるため気合いは入れていましたが、
予想以上にみんなハイペースな突っ込み…
行けないペースではないけれど、少々不安を感じたり。
でも私が前に出てからは私の前に出る選手はおらず、
ペースを落とさないように、苦しいけど耐えて耐えてで先頭を行きました。
苦しいけど、後ろもちぎれない。
結局1周目は3人で頂上を通過しました。
2周目、同じように先頭で突っ込みました。
自分の限界ギリギリペースで登っていると1人、2人と千切れていきました。
苦しい、酸欠のような感じで目の前が真っ白になりかけたり、筋肉がパンパンになったり、
シッティングだとペースが落ちるのでペースを保つためにダンシング。

頂上で後ろとのタイム差は20秒でした。
その後、下りと平地があり、
タイム差が縮まらないように必死に踏みました。
後ろとの差35秒、45秒あたりでペースを刻み無事に最初にゴールラインを切ることができました。
後ろから来るのではという恐怖は最後までありましたが、
ゴールが近づいてくるにつれて「優勝」が見えてくる嬉しさを久々に味わうことができました。
ゴールの時、素直にとても嬉しかったです。
幸せでした。

2周目の登りで、どなたかはわかりませんが「ラストだからそのまま思いっきり行け!」という声が聞こえ、
また2km地点辺りで母がいつものように「ゆみこちゃーん」(笑)と応援してくれて、
スイッチが入ったように思います。
レース前にはベルギーでお世話になったMarcから自信のない私にいつも言ってくれていた「君はできる!自分を信じて」とメッセージをもらいました。
なかなか殻を破り、実力を出し切ることができていなかったここ最近の私ですが、
競技を始めた当初の何もごちゃごちゃ考えることなく、ただただ全力投球だった自分を思い出しました。
何が怖いんだ、やってみないことには勝利の可能性もないんだ、やってみて初めて勝つか負けるかの勝負になるんだと感じました。
今回も苦しい場面が多々ありましたが、
苦しいのはみんな一緒。
苦しい時にどれだけ頑張れるか、耐えられるかがレースだな、と。
そのための練習を日々やっている。
今回も一瞬そういう思いがフッと頭に浮かび、
まだいけるまだいけるで突き進めたように思います。


photo by HP of JBCF

今年25歳を迎える年齢となり、これまで以上に将来のことなど色々と考えるようになりました。
一般的には社会人として働いている、自立しているのが当たり前。
いろんな方にサポートしてもらっているのに今年は全日本も完走できておらず、
これといった成績が全く残せていない…。
こんなので自分は好きなことだけをしていて良いのか、と思ったりもしました。
正直なところ、「レースで勝つ」ためにトレーニングを行う、自転車に乗ることは自己満足の世界です。
しかし今回、私の喜びを分かち合ってくれる人、「おめでとう」のメッセージをくれる人、
まだまだ選手として未熟な私の周りにもこんなにもたくさんの応援してくれる人がいるということを感じ、
頭でごちゃごちゃ考えることよりも、「今」させてもらえる自転車と本気で向き合おうと思いました。
そして自分の良さってそこにあったようにも思います。
まだ行けると思える限り、自転車を極めたいと思います。
今シーズンも残りわずかですが、どうぞよろしくお願いします。

【輪島ロードレースHP】
http://www.jbcf.or.jp/races/20171008_id=14851

2017年10月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : yumiko